「原田和典 ブログ人」

恐怖の報酬【オリジナル完全版】

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数奇な運命に彩られた映画『恐怖の報酬』が制作から41年を経て、オリジナル完全版として遂に日本公開されます。その試写に行きました。監督はウィリアム・フリードキンです。
原題は『Sorcerer』。マイルス・デイヴィスの同名アルバムから拝借したとのことです。音楽は基本的にプログレッシヴ・ロック・グループのタンジェリン・ドリームが担当していますが(工程上、画像を観る前、脚本に基づいて作曲したそうです)、ほかにもマイルス「ソー・ホワット」のアドリブ部分をトレースしたような楽曲が出てきたり、さらにキース・ジャレットやチャーリー・パーカーの演奏も(レコードから)挿入されるなど、ジャズファンにとっても非常に気になる瞬間が続きます。とくにキースは当時の最新作『Hymns/Spheres』からのナンバーを、ECMレコードの許可を取って挿入するという素早さです。
原作はジョルジュ・アルノー、脚本はウォロン・グリーン。物語の鍵を握る4人の男(ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル、フランシスコ・ラバル、アミドゥ)は心に深い闇を抱えながらそれぞれ別の土地から「ここ」にやってきて、偽名を使いながら、「ここ」から逃れるため命がけの仕事につきます。相手をどこまで信用していいのか、どこまで意思の疎通をすべきか、だがあまり心を許したら寝首をかかれるかもしれないぞ、など様々な思いが、4人の表情、抑えに抑えたセリフなどからうかびあがってきます。爆発のシーン、吊り橋のシーンは文字通りの圧巻。不安を掻き立てるようなカメラ・ワークも絶品です。CGなどない時代の、アコースティックでナチュラルな迫力に目を丸くしていただきたいと思います。
かつて公開されたりビデオ化されたりした当映画は、フリードキン監督の意志に関係なく短縮されていたヴァージョンでした。「でたらめにカットされていたものが、ついに完全版として蘇ったのだ」と彼は語っています。短縮版を見た方も今回が初体験の方も、このタフで容赦なき世界は抜群のインパクトで迫ってくることでしょう。11月24日からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町でロードショー。149.png






# by haradakazunori | 2018-11-07 10:01 | 映画

11月7日、「ブルーノート80ガイドブック 」発売! 17日、四谷「いーぐる」にてイベント!

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11月7日、ブルーノート・レーベル創立80年記念本「ブルーノート80ガイドブック」が、ユニバーサルミュージックから発売されます(税込み3240円)。amazon、各レコード店等で予約受付中。11月17日(土)の15:30からは、四谷「いーぐる」で発売記念トーク・セッションも行なわれます。ここでも販売します。ぜひどうぞ!
以下、作品の詳細です。

「ブルーノート80ガイドブック」
★ジャズ史上最強のレーベルの最新ガイドブック!
●2019年に創立80周年を迎えるブルーノート・レーベルの最新ガイドブック。
●モダン・ジャズ黄金期に数多くの歴史的名盤を生み出したジャズ史上最強のレーベルであり、現在もシーンをリードし続けるブルーノート。その歴史、そしてレーベルの魅力をいま改めて提案します。
●フランシス・ウルフ撮影の貴重なレコーディング・セッション写真もふんだんに使用。初心者の方にもわかりやすく、往年のファンの方にも満足いただける充実の内容です。
<内容>
・ ドン・ウォズによる前書き
・ BN MASTERPIECES (モダン・ジャズ黄金期の名盤10選)
・ BN HISTORY (ラズウェル細木による漫画でたどるレーベル史)
・ BN MASTERS (ジャズ・ジャイアンツ10選)
・ コラム「ブルーノートを担当し始めたころ」 (行方均)
・ BNLAリバイバルズ (KANDYTOWNメンバー・インタビュー)
・ ドン・ウォズ最新インタビュー
・ BN NOW (現所属アーティスト紹介)
監修:原田和典
執筆陣:原田和典、後藤雅洋、村井康司、行方均、内本順一、原雅明、柳樂光隆
デザイン:高橋力 (mb)
(B5版 / オールカラー / 全100ページ)

☆『ブルーノート80ガイドブック』発刊記念トーク・イベント開催決定!
 2018年11月17日(土) 午後3時30分より
 四谷 ジャズ喫茶 いーぐる




# by haradakazunori | 2018-11-05 11:26 | 書籍・雑誌

雑誌情報

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「ミュージック・マガジン」最新号に書いています。ブルース愛に溢れるギタリスト/シンガー、Reiさんのインタビュー等を担当しています。
「レコード・コレクターズ」最新号に書いています。
「CDジャーナル」最新号に書いています。
「ジャズジャパン」最新号に書いています。ベース奏者の遠藤定さんに取材しています。
「HiVi」最新号、「東京ライブストーリー」の第3回目は第37回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊りについて語っています。
ぜひお読みください!!!172.png




# by haradakazunori | 2018-10-25 11:59 | 書籍・雑誌

THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~

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映画『THE COLLECTORS〜さらば青春の新宿JAM〜』の試写に行きました。監督・編集・撮影は川口潤(『山口冨士夫/皆殺しのバラード』が印象に残っています)。主役は1986年結成のロック・バンド、ザ・コレクターズです。
ザ・コレクターズが最初にワンマンライブを行なった場所こそ、当時できて数年しか経っていなかった「新宿JAM」でした。その「JAM」が建物老朽化を理由に取り壊しが決まったのが2017年7月のこと。年内いっぱいで閉店とアナウンスされました。12月24日に行なわれた「JAM」のクロージング公演はザ・コレクターズのワンマンでした。3月には武道館公演を行なった彼らが、一転、百数十名の前で、80年代のレパートリーを繰り広げる奇跡のステージ。映画はその模様を挿入しつつ、「日本の80年代モッズ史」、「ファッションへのこだわり」、「映画『さらば青春の光』から受けた衝撃」等に話を拡げていきます。奇跡的に残っていた80年代の新宿ロフト公演や、前身バンド“ザ・バイク”のライブを捉えた映像も超貴重です。不勉強にして、登場人物の発言を通じて、ぼくは真島昌利がブルーハーツやザ・クロマニヨンズの前にザ・ブレイカーズでモッズ的なサウンドを追求していたことを初めて知りました。ソレイユに提供した名曲「恋するギター」と、一本の線でつながったという感じです。
「当時はインディーズとメジャーの差が限りなく大きかったから、まずメジャー・デビューしなければと思った。いい音楽をやっている自信があるし、ルックスも自分たちではいいと思っていたから、オリコンの1位から5位まで独占するんじゃないかと思っていた」「武道館でやっても、それは自分が求めている達成感とは違っていた」(メモを取って観たわけではないので、ぜひ実際の画面で発言のニュアンスをご確認いただければと思います)等、フロントマンの加藤ひさしの話は実に率直です。11月23日から新宿ピカデリー他でロードショー。その前の11月7日には通算23枚目のオリジナル・アルバム『YOUNG MAN ROCK』がリリースされます。169.png




# by haradakazunori | 2018-10-24 09:57 | 映画

不滅の女

アラン・ロブ=グリエの監督デビュー作『不滅の女』の試写に行きました。遠藤賢司の名曲に「不滅の男」がありますが(アントニオ猪木に捧げられた)、こちらは1963のフランス、イタリア、トルコの合作映画です。出演はフランソワーズ・ブリオン、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、カトリーヌ・ロブ=グリエ等。
まばたきひとつしない美女の、まさしく人形のような顔がクローズアップされます。死んだはずのひとが生き返ったり、意味深なセリフが連続したり。部屋に対する海の高さ、モノクロ画面に見事に映し出された太陽の輝きと暗い夜道の対比。静謐なのに、やけに情報の多い映画です。そこも強く印象に残りました。
トルコのエキゾチックな音楽が随所にフィーチャーされているのも個人的には魅力でした。この雰囲気、音楽に触れてぼくが思い出したのはエリザベス・テイラーが出演した『クレオパトラ』ですが、あちらも63年の制作。偶然なのかどうか、じっくり調べてみたいものです。
人形のような美女は、ストーリーの終盤にも登場します。幾通りにでも解釈できそうな筋書きですが、カギを握るのは、どこかタモリに似た謎の男・・・というのがぼくの見解です。皆さんはどうお感じになるでしょうか。特集「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」中の一策として、11月23日から東京・シアターイメージフォーラムほか全国で順次開催。




# by haradakazunori | 2018-10-23 12:00 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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