「原田和典 ブログ人」

カテゴリ:映画( 100 )




サッドヒルを掘り返せ

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映画『サッドヒルを掘り返せ』の試写に行きました。オタク的なマインドを数パーセントでもお持ちならば、この映画に登場するファンたちのいちずな作品愛に胸が熱くなるのは間違いないところでしょう。“サッドヒル”とは、1966年の大ヒット映画『続・夕陽のガンマン』(イタリア語タイトルIl buono, il brutto, il cattivo 英語タイトル:The Good, the Bad and the Ugly)の伝説的シーンに使われた“サッドヒル墓地”のこと。スペインのブルゴスに、撮影用として作られた墓地のセットです。そのセットは撮影後、そのまま放置され、当然ながらそのまわりは植物が生えたりして、地中に埋もれたも同然になってしまいました。
この“サッドヒル墓地”を掘り返して、今に蘇らせたい。とある『続・夕陽のガンマン』ファンの呼びかけで“サッドヒル文化連盟”が結成され、ヨーロッパ各地から賛同者が集まります。クワやホウキで掘り返すのです。結果・・・墓地は蘇りました。そしてその場所には、多くの“なりきりクリント・イーストウッド”が訪れ、ほかにもいろんなひとたちが「あ、この場面の舞台はここだったのか」とか、自分が物語の一部になったかのように動き回ります。出演者はもうここにいないけれど、ロケ地はあって、そこに自分が立つ。「映画カラオケ」の心は世界共通なんだなと思いました。
『続・夕陽のガンマン』の大ファンであるメタリカのジェイムズ・ヘットフィールド、主演をつとめたクリント・イーストウッド、音楽担当者のエンニオ・モリコーネ(あの印象的なトランペットのフレーズは、彼の意志ではなく、監督の強い希望だったそうです。そもそもモリコーネはトランペットを使う気がなかった)などのコメントは必見必聴ですし、有名な「橋の(誤)爆破」についてもしっかり触れられています。さらにセルジオ・レオーネ監督(89年死去)の貴重な談話も挿入され、若手の映画評論家による「なぜレオーネはフェリーニやアントニオーニのような高い評価を受けてこなかったのか。なぜ、近年再評価が進んできたのか」についての鋭い考察も個人的には大きなポイントのひとつでした。
墓地完成イベントでイーストウッドの映像コメントが流れたときの、文化連盟のひとたちの満面の笑顔、目の輝きに「オタク万歳」と叫びたくなりました。漫画原作でテレビドラマも始まった『トクサツガガガ』のファンにもぜひ見てほしいです。監督・製作・撮影・編集はギレルモ・デ・オリベイラ(1986年生まれ)、3月8日から新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー。166.png





by haradakazunori | 2019-02-08 10:31 | 映画

私の20世紀

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映画『私の20世紀』の試写に行きました。イルディコー・エニェディ監督が、1989年に残した作品です。監督の近作『心と体と』は2018年アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされましたが、『私の20世紀』はさかのぼること30年前の長編デビュー作。それがこの春、4Kレストア版として公開されるのです。
画面はモノクロ、物語は1880年のハンガリー・ブダペストで双子の姉妹が生まれたことから始まります。ふたりはやがて生き別れつつも美しく成長するのですが、20歳の時に偶然に再会します。“職業(といっていいのでしょうか)”は、かたや革命家、かたや詐欺師。そこに謎の男Zが出てくるのですが、彼は彼女たちが双子ということに気づかず、混乱の中に放り込まれてゆくのです。ぼくは男なのでどうしてもZの立場で見てしまうのですが(俺がもしZだったら、あの場面はこうするだろうなあという感じで)、女性の方、実際に双子の方が観ると、捉え方が大いに変わるのではないかと思います。
コメディ・タッチでもありますが、「さあどうだ笑え笑え」的な押し付けはなく、どこでどう笑うか(声をあげるか、クスリとするか、口角をあげるか、目を細めるかなど)は100%、見る人の任意という感じです。そして、非常に静謐な映画です。3月30日より新宿シネマカリテほか全国順次公開。182.png





by haradakazunori | 2019-02-07 10:07 | 映画

ヨーゼフ・ボイスは挑発する

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映画『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』の試写に行きました。“社会彫刻”という概念を編み出したドイツの芸術家ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys、1921〜86)に関するドキュメンタリー映像です。監督はアンドレス・ファイエル。ボイスの映像、発言・音声(各300時間分)、2万枚近くの写真を厳選し、さらにボイスゆかりの人々(約60名)にインタビューして、この作品を完成させました。
いつ生まれて、どんな風に成長し、どこで死に・・・といった内容ではありません。事前にボイスの軌跡を知ってから見ても、なんの事前知識なしに見ても、一定の神秘的なアート体験ができるのではと思います。個人的にはフルクサス時代の出来事、現代美術のグループ展「ドクメンタ」(ぼくはこのイベントを、今は亡き副島輝人さんを通じて知りました)に参加した時の様子、ニューヨーク・グッゲンハイム美術館での展示に対するアメリカ人客の反応などにスリルを感じました。映画には、死んだ本物のウサギとコラボする『死んだウサギに絵を説明するには』、グランドピアノを覆った『フェルト貼りピアノ』、コヨーテの野性味が印象的な『私はアメリカが好き アメリカも私も好き』などの“作品”が登場します。
「今は民主主義がない、だから俺は挑発する」と政治活動を行なう姿もしっかり捉えられていますし、帽子がトレードマークだった彼が、珍しく無帽でいる晩年の映像も挿入されます。なおボイスは1984年の来日時、ニッカウィスキーの広告にも登場しています。ポップで、アヴァンギャルドで、ダンディで、物事をつきつめて考える激しく熱い男の生きた証が107分にこめられています。3月2日からアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか公開。175.png




by haradakazunori | 2019-02-05 12:00 | 映画

山<モンテ>

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映画『山<モンテ>』の試写に行きました。ヴェネツィア国際映画祭『監督・ばんざい!賞』受賞作です。監督は『駆ける少年』や『CUT』などで堅い評価を集めたイランの巨匠、アミール・ナデリ。何度もイタリアを訪れ、この国でずっと映画が撮りたかったという彼が、ついにオールロケを行ないました。
といってもここに登場するのは「華やかなイタリア」ではありません。「歌の国イタリア」でもありません。そもそも音楽が登場しません。時代は中世後期、場所は南アルプスの山のふもとにある小さな村。まわりの山が太陽をさえぎるので、作物も育たず、住民はよりよい暮らしを求めてどんどん別の場所に移動していきます。しかしある一家だけは、先祖の墓や娘の墓があるこの場所にとどまっています。そこから先のことは、あらゆる要素が結末につながっているという印象を受けたので、詳細は差し控えますが、“自分とは肌合いの違うものを排除しようとする周りの目の冷たさ”、“極端に絞られた言葉(セリフ)の深み”、“画面の色合いの変化”にぜひじっくりと向かい合ってほしいと思います。出演はアンドレア・サルトレッティ、クラウディア・ポテンツァ、ザッカーリア・ザンゲッリーニ、セバスティアン・エイサス他。2月9日よりアップリンク吉祥寺にて公開、以降全国順次公開。175.png




by haradakazunori | 2019-01-16 11:20 | 映画

ノーザン・ソウル

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映画『ノーザン・ソウル』の試写にいきました。この場合のノーザン・ソウルとは、サザン・ソウル(メンフィスやマッスル・ショールズ)に対してデトロイトやシカゴのソウル・ミュージックを語る時に用いられる言葉ではなくて、英国マンチェスター等のイングランド北部周辺のクラブで好まれていたソウル・ミュージックを示します。製作総指揮デビー・グレイ、監督・脚本エレイン・コンスタンティン、主演エリオット・ジェームズ・ラングリッジ、ジョシュ・ホワイトハウス、スティーヴ・クーガン他。
舞台は1974年、イングランド北部の街バーンズワース。主人公の高校生、ジョンは変わり映えのしない毎日にうんざりしています。しかしある日、ユースクラブ(町内会の会合のようなものでしょうか)で、いままで聴いたことの内容なかっこいい音楽に合わせて、まるでブルース・リーのように激しく体を動かしながら踊る青年、マットと出会います。マットと親しくなったジョンは彼の影響を受けまくってソウル・ミュージックのとりこになり、ふたりでDJ活動も始めます。そして、あるカリスマDJが“Cover Up”(曲名を伏せて書ける)していた曲の正体もつきとめます。夢はソウル・ミュージックの本場にいき、レアなシングル盤を買いまくること。「ソウル・シンガーのライヴを見に行く」ではないところが、この物語の特質です。
巷ではポール・マッカートニー&ウィングス、ローリング・ストーンズ、エルトン・ジョン、ディープ・パープル、エリック・クラプトン、デイヴィッド・ボウイ等のヒット曲が流れていたのではないかと想像するのですが、この映画にはロックのロの字もありません。その代わり、活気に満ちた、通好みのソウル・ミュージックが次々と画面から流れてきます。“ルー・プライド”、“ビリー・バトラー”、“エドウィン・スター”、“キャミオ/パークウェイ”といった単語を含むセリフが出てくるごとに、耳がそばだちます。しかもエドウィン・スターといっても、ここで出てくるのは70年にモータウン(ゴーディ)から出たヒット曲「War」ではなく、1965年のRic-Tic盤「Back Street」なのですから、見ているこちらも胸が熱くなろうというものです。
私事ですが90年代、Goldmineというレーベルから出ていたソウル・ミュージックのコンピレーションCDをいろいろ買っていた頃を思い出しました。「アフリカ系アメリカ人ではないソウル・ミュージック好き」の方なら、山ほど共感できる映画だと思います。2月9日から東京・新宿シネマカリテ、兵庫・神戸元町映画館、2月16日から大阪・シネマート心斎橋で上映。ほか愛知・名古屋シネマテーク、京都・出町座、広島・横川シネマ、金沢・シネモンドで全国順次公開。166.png




by haradakazunori | 2019-01-15 10:37 | 映画

ナディアの誓い

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
1月5日の開催の『いーぐる連続講演『平成最後の新春トーク』〜「ミュージックマガジン」ジャズベストテン選者が語る2018年ジャズシーン〜(柳樂光隆 原田和典 村井康司)、ご来場いただきありがとうございました。超満員のまま午後7時まで(途中休憩あり)、「選外盤紹介」コーナーやプレゼントコーナーもある楽しいひとときでした。
さて映画『ナディアの誓い』の試写にいきました。監督はアレクサンドリア・ボンバッハ。“ナディア”とは、2018年ノーベル平和賞受賞者で国連親善大使のナディア・ムラド氏のことです。彼女はイラク北部のコチョ村でおだやかに暮らしていましたが、2014年8月、村のヤジディ教徒全体がISIS(イスラム国)の標的になりました。殺される者多数、そして若い女性たちはISISの拠点であるモスルに連れていかれ、売買の対象になりました。
ナディアは2015年9月、命からがらドイツに脱出します。そして同年の国連安保理事会で証言を行ないます。村で美容室を開くことが夢だった女性が、人権活動家になった瞬間です。証言は大きな衝撃を与え、世界各地でスピーチする機会が増えていきますが、それは、そのたびに彼女は痛みを思い出さなくてはいけない、ということでもあります。世界各国の、それも初対面であろう政治家や外交官に、毎回、自分が性暴力を受けていたおぞましい体験を語る「しんどさ」。つまりトラウマがフラッシュバックされるのです。自分がナディア氏なら、おそらく耐え難く、心が壊れてしまうだろうと思います。
こういう発言を発信して身の安全は保障されるのか。里帰りして友人と再会できる日は二度と来なくなるのではないか。そうした不安を抱えながらも、彼女はギリシャの難民キャンプやニューヨークの国連本部でも体験を訴え続けます。欧米圏に来た当初はおずおずしていた感もなかった彼女の一挙一動が颯爽として(「無数の被害者の声となり、この惨状を世界に伝えなければ」という気持ちがそうさせたのだと思います)、英語がどんどん上達し、発言の内容が磨かれていくといった「力強さ」もまた、このドキュメンタリー作品にしっかり映し出されています。2月1日からアップリンク吉祥寺より全国順次ロードショー。175.png




by haradakazunori | 2019-01-07 12:04 | 映画

バスキア、10代最後のとき

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映画『バスキア、10代最後のとき』の試写に行きました。原題は『Boom For Real : The Late Teenage Years of Jean-Michel Basquiat』、監督はサラ・ドライヴァー。ジャン=ミシェル・バスキア没後30年を記念しての日本公開です。
「70年代後半から80年代初頭のバスキアを知る面々の回想録を中心にしながら、少年バスキアが芸術家バスキアになっていくまでの歩みをたどる」、といった感じでしょうか。グラフィティ・アートのこと(初期のヒップホップはこれとラップとスクラッチとブレイクダンスの四者一体で語られていました)、グラフィティ・アート・ユニット“SAMO”のこと、ヴィンセント・ギャロらと組んでいた幻のバンド“グレイ”のこと(バスキアはサックスやクラリネットを担当)、個人的にはドキュメンタリー作品『ヘンリー・ゲルツァーラー ポップ・アートに愛された男』も印象深かった目利きヘンリー・ゲルツァーラーのことなど、「これをしっかり知りたかったんだ」というところを的確に押さえてくれます。もちろん、あの時代の、今はもう跡形もないといっていいであろう、「ヤバいニューヨーク」の画像や映像もたっぷりです。
ヒップホップ・カルチャーの生き証人とも呼ばれるファブ・5・フレディの発言もとても興味深いものでした。「俺の名付け親は(ドラマー)のマックス・ローチだ」と語り、ローチも参加している『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』をバスキアに聴かせ、彼の関心をビ・バップに向けたのだそうです。サックス奏者チャーリー・パーカーとトランペット奏者ディジー・ガレスピーの壮絶なつばぜりあいに、バスキアはラップ・バトルに通じる興奮を感じたのだとか。ぼくはバスキアのドキュメンタリー(名前は忘れてしまいました)で、彼が『オーニソロジー』という、チャーリー・パーカーやタッド・ダメロンの入った英国スポットライト盤のLPをかけて創作している場面を見たことがありますが、それにしてもバスキアの死は早すぎました。まさに「夭折」です。
画面の中で彼を回想しているのは、生き永らえ創造の苦しみと闘い続けているひとたち。自分が若い頃なら「早く逝った者」に共感とかっこよさを覚えましたが、加齢するごとに複雑な気持ちが増して今に至る、というのが正直な気持ちです。今、バスキアの遺したアートは約64億円で落札されるまでになっています。12月22日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。173.png





by haradakazunori | 2018-11-13 11:08 | 映画

恐怖の報酬【オリジナル完全版】

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数奇な運命に彩られた映画『恐怖の報酬』が制作から41年を経て、オリジナル完全版として遂に日本公開されます。その試写に行きました。監督はウィリアム・フリードキンです。
原題は『Sorcerer』。マイルス・デイヴィスの同名アルバムから拝借したとのことです。音楽は基本的にプログレッシヴ・ロック・グループのタンジェリン・ドリームが担当していますが(工程上、画像を観る前、脚本に基づいて作曲したそうです)、ほかにもマイルス「ソー・ホワット」のアドリブ部分をトレースしたような楽曲が出てきたり、さらにキース・ジャレットやチャーリー・パーカーの演奏も(レコードから)挿入されるなど、ジャズファンにとっても非常に気になる瞬間が続きます。とくにキースは当時の最新作『Hymns/Spheres』からのナンバーを、ECMレコードの許可を取って挿入するという素早さです。
原作はジョルジュ・アルノー、脚本はウォロン・グリーン。物語の鍵を握る4人の男(ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル、フランシスコ・ラバル、アミドゥ)は心に深い闇を抱えながらそれぞれ別の土地から「ここ」にやってきて、偽名を使いながら、「ここ」から逃れるため命がけの仕事につきます。相手をどこまで信用していいのか、どこまで意思の疎通をすべきか、だがあまり心を許したら寝首をかかれるかもしれないぞ、など様々な思いが、4人の表情、抑えに抑えたセリフなどからうかびあがってきます。爆発のシーン、吊り橋のシーンは文字通りの圧巻。不安を掻き立てるようなカメラ・ワークも絶品です。CGなどない時代の、アコースティックでナチュラルな迫力に目を丸くしていただきたいと思います。
かつて公開されたりビデオ化されたりした当映画は、フリードキン監督の意志に関係なく短縮されていたヴァージョンでした。「でたらめにカットされていたものが、ついに完全版として蘇ったのだ」と彼は語っています。短縮版を見た方も今回が初体験の方も、このタフで容赦なき世界は抜群のインパクトで迫ってくることでしょう。11月24日からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町でロードショー。149.png






by haradakazunori | 2018-11-07 10:01 | 映画

THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~

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映画『THE COLLECTORS〜さらば青春の新宿JAM〜』の試写に行きました。監督・編集・撮影は川口潤(『山口冨士夫/皆殺しのバラード』が印象に残っています)。主役は1986年結成のロック・バンド、ザ・コレクターズです。
ザ・コレクターズが最初にワンマンライブを行なった場所こそ、当時できて数年しか経っていなかった「新宿JAM」でした。その「JAM」が建物老朽化を理由に取り壊しが決まったのが2017年7月のこと。年内いっぱいで閉店とアナウンスされました。12月24日に行なわれた「JAM」のクロージング公演はザ・コレクターズのワンマンでした。3月には武道館公演を行なった彼らが、一転、百数十名の前で、80年代のレパートリーを繰り広げる奇跡のステージ。映画はその模様を挿入しつつ、「日本の80年代モッズ史」、「ファッションへのこだわり」、「映画『さらば青春の光』から受けた衝撃」等に話を拡げていきます。奇跡的に残っていた80年代の新宿ロフト公演や、前身バンド“ザ・バイク”のライブを捉えた映像も超貴重です。不勉強にして、登場人物の発言を通じて、ぼくは真島昌利がブルーハーツやザ・クロマニヨンズの前にザ・ブレイカーズでモッズ的なサウンドを追求していたことを初めて知りました。ソレイユに提供した名曲「恋するギター」と、一本の線でつながったという感じです。
「当時はインディーズとメジャーの差が限りなく大きかったから、まずメジャー・デビューしなければと思った。いい音楽をやっている自信があるし、ルックスも自分たちではいいと思っていたから、オリコンの1位から5位まで独占するんじゃないかと思っていた」「武道館でやっても、それは自分が求めている達成感とは違っていた」(メモを取って観たわけではないので、ぜひ実際の画面で発言のニュアンスをご確認いただければと思います)等、フロントマンの加藤ひさしの話は実に率直です。11月23日から新宿ピカデリー他でロードショー。その前の11月7日には通算23枚目のオリジナル・アルバム『YOUNG MAN ROCK』がリリースされます。169.png




by haradakazunori | 2018-10-24 09:57 | 映画

不滅の女

アラン・ロブ=グリエの監督デビュー作『不滅の女』の試写に行きました。遠藤賢司の名曲に「不滅の男」がありますが(アントニオ猪木に捧げられた)、こちらは1963のフランス、イタリア、トルコの合作映画です。出演はフランソワーズ・ブリオン、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、カトリーヌ・ロブ=グリエ等。
まばたきひとつしない美女の、まさしく人形のような顔がクローズアップされます。死んだはずのひとが生き返ったり、意味深なセリフが連続したり。部屋に対する海の高さ、モノクロ画面に見事に映し出された太陽の輝きと暗い夜道の対比。静謐なのに、やけに情報の多い映画です。そこも強く印象に残りました。
トルコのエキゾチックな音楽が随所にフィーチャーされているのも個人的には魅力でした。この雰囲気、音楽に触れてぼくが思い出したのはエリザベス・テイラーが出演した『クレオパトラ』ですが、あちらも63年の制作。偶然なのかどうか、じっくり調べてみたいものです。
人形のような美女は、ストーリーの終盤にも登場します。幾通りにでも解釈できそうな筋書きですが、カギを握るのは、どこかタモリに似た謎の男・・・というのがぼくの見解です。皆さんはどうお感じになるでしょうか。特集「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」中の一策として、11月23日から東京・シアターイメージフォーラムほか全国で順次開催。




by haradakazunori | 2018-10-23 12:00 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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