「原田和典 ブログ人」

カテゴリ:映画( 82 )




祈り 三部作

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岩波ホール創立50周年記念特別企画として、ジョージア(グルジア)の映画監督、テンギズ・アブラゼの“祈り 三部作”が上映されます。三部作のラインナップは『祈り』(67年)、『希望の樹』(76年)、『懺悔』(84年)。8月4日から9月14日まで毎日全作品が上映されます(『祈り』は1日2回、他作品は1回)。ぼくは『祈り』の試写にいきました。
『祈り』は今回が日本初公開。19世紀ジョージアを代表する作家V.プシャヴェラの叙事詩をモチーフにした作品です。テーマはキリスト教とイスラム教の対立です。宗教が複数に存在し始めた日から、こうした争いはやむことがないのでしょう。モノクロ画面は驚くほどカラフルに想像力をかきたててくれます。「ネガ/ポジの転換」、「ふたりの会話を捉えるうちに、そのひとりの顔がアングルからはずれるのだが、それでも移動もクローズアップもせず、そのままはずれた姿を捉え続けるカメラ」、「すさまじい傾斜の坂を踏みしめながらの人々の大移動」などなど。見た後にじんわりと余韻(それは決して甘美なものではないのですが)が沁みてきて、「あなたはどう思いますか?」と、誰かとじっくり話し合いたくなるような作品です。
若者の恋愛とそれを壊そうとする旧世代の軋轢を描く『希望の樹』、独裁者によって困難を強いられる国民を描いた『懺悔』ともども、ぼくは岩波ホールで見直そうと思っています。ぼくは明るく楽しい娯楽映画が好きですが、こういう作品にも接することが大切だなあと、身の引き締まる思いがしました。来年はアブラゼ監督の没後25年です。165.png




by haradakazunori | 2018-07-13 12:02 | 映画

ラ・チャナ

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映画『ラ・チャナ』の試写に行きました。監督はルツィア・ストイェヴィッチ。スペイン、アイスランド、アメリカの共同制作です。
ラ・チャナは1946年、バルセロナ生まれのフラメンコ・ダンサーです。子供の頃からフラメンコに惹かれ、父親の反対を押し切って活動を開始。19歳でバルセロナのタブラオ「ロス・タラントス」の人気ダンサーとなり、芸術家のサルバドール・ダリも彼女を見にしばしば通ったそうです。そして’67年には英国の俳優ピーター・セラ―ズが主演映画への出演を依頼しますが・・・
親の無理解、マネージャーもしていた夫の暴力と彼女の自由をしばりつけるマネージング・・・・。人気は上昇するばかりだったというのに、33歳の時、夫の自分勝手な脅しにより、引退を余儀なくさせられます。夫が財産を奪って彼女を捨てた後、不屈の意志で復活。1985年には来日もしました。
その6年後には引退しますが、「これは」と思う舞台があれば登場して現在に至っています。2013年の映像では、関節炎のため立って踊ることはできないものの、その表情や手の動きを見ているだけでも、ぼくはどんどん引き込まれて行きました。この映画が今の日本で上映されることは、いろんな意味で意義のあることだと思います。とにかく、すごい「意志のひと」に出会ってしまったと、畏怖の念に打たれました。7月21日からヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開。169.png





by haradakazunori | 2018-06-27 08:35 | 映画

ストリートオブファイヤー

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映画『ストリートオブファイヤー』の試写に行きました。1984年公開の大ヒット作品の、デジタル・リマスター版です。監督・脚本:ウォルター・ヒル、主演はマイケル・パレとダイアン・レインです。
ストーリーはとてもわかりやすく、言葉は「生きている英語」で(教科書には載らないような)、音楽はかっこよく、演出は派手。ようするにひたすら楽しめる映画なのです。ぼくは途中から昭和末期の「漫画アクション」などに載っていた劇画を思い出しながら見ましたが、とにかく「ただ強行突破するのみ」的なストーリーに強烈なスピード感を覚えます。思いっきり短くいうと「ゾクに昔の彼女(今は歌手になっている)を誘拐された元彼が彼女を取り戻しに行く話」ですが、そこにドゥーワップ・グループを絡ませたり、警官との人間模様をはさんだり、盛り上げに盛り上げてエンディングにもつれ込みます。
歌手役のダイアンに与えられた曲は80年代テイスト満載で、この数年後、日本でもこういう曲は「大映テレビドラマの主題歌」にどんどん使用されて一定の支持層を得ます。この曲は違いますが、音楽(スライド・ギターを生かしたインスト部分だと思います)担当にはライ・クーダーの名がクレジットされていて、バック・ミュージシャンにはベンモント・テンチやティム・ドラモンドも名を連ねています。また酒場のバンドには、テナー・サックス奏者のリー・アレンがいるじゃないですか! ほんの数秒ですがアップで楽器を吹くシーンもあります。だから音楽ファンにも見逃すことができないのです。7月12日からシネマート新宿ほか全国順次公開。172.png





by haradakazunori | 2018-06-26 11:26 | 映画

名前

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映画『名前』の試写にいきました。原案は直木賞作家の道尾秀介、監督は戸田彬弘、主演は津田寛治、駒井蓮。第13回大阪アジアン映画祭クロージング作品、第20回ウディネ・ファーイースト映画祭コンペティション部門、第18回ニッポン・コネクション ニッポン・ヴィジョンズ部門出品作品。
42歳の男はいくつものシチュエーションでそのつど名前や人格を使い分けています。離婚し、都会を離れた際に、「そうしたほうがいい」と悟ったらしいのです。各キャラクターを創案し、セレブかつキザにふるまいます。彼が創作したキャラクターは、かなり「なりきるには難易度が高い」ものですが、彼は必死に創作キャラと自分を一体化させようとします。本来の自分を消し去ってしまいたい、という思いは強まるばかり・・・という印象を、ぼくは冒頭の数シーンから受けました。
その男の目の前に突然現れたのが謎の女子高生です。当然ながら男は大いに戸惑いますが、一緒に時間を過ごすうち、数十年ぶりに太陽の光を浴びたかのように生き生きとした表情や振る舞い、軽快な会話をするようになってきます。それは彼がキャラを創案する前、まだ自分自身を生きていた頃に持ち合わせていた本来のキャラなのかもしれません。
「ああ、こうなるのか。常套手段をこういうふうに新鮮に見せていくのか」と一人納得していたら、次のシーンで裏切られてびっくり、ということが何度もありました。とにかく目が離せないのです。ミステリーのようでもあり、父もの・母もののようでもあり、不器用なまでに突進する青春ものでもあり。見終わったあと、じわじわと「もう1回、もっとディテールに注目して見なければ」という気持ちが盛り上がってきました。6月16日よりイオンシネマ守谷にて先行公開、6月30日より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー。178.png





by haradakazunori | 2018-06-14 11:06 | 映画

ガザの美容室

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映画『ガザの美容室』の試写に行きました。監督はタルザン&アラブ・ナサール、出演はヒアム・アッバス、マイサ・アブドゥ・エルハディ、マナル・アワド他。第68回カンヌ国際映画祭批評家週間正式出品作品、新聞の見出しを飾った実話がモティーフになっているそうです。
なるほど、確かにこれは美容室の光景です。ドアの外には太陽が輝き、中はほぼ満員。結婚を控えた若い女性、離婚調停中の主婦、信心深い女性、出産間近の妊婦などが髪を整えてもらおうと集まり、話に興じています。みんながもとからの知り合いとか仲良しというわけではありません。みんなそれぞれ言いたいことを言いつつ順番を待っているので、意見のぶつかりあいもあります。
何気ない一日かもしれません。しかし事態は“暗黒化”していきます。戦闘です。爆音が響き渡り、室内が揺れ、その間隔はどんどん短くなっていきます。外に出ることはできません。すっかり暗くなりましたが、電力の供給はままなりません。妊婦は産気づきます。一種のパニック状態の中で、女性たちはどう振る舞うのか。そこに助け合いや友情は生まれるのか。
「これが本当に劇映画なのか?」というのが最初に浮かんだ言葉です。もともとはガザで撮影する予定だったそうですが、イスラエルによるガザ侵攻が始まったため、準備の段階で中止に。ヨルダンのアンマン郊外に場所を移しての撮影だったそうです。こういった重く、苦しみすら感じさせる作品がきちんとピックアップされ、日本の劇場にかかるのは本当に意義のあることです。ライオンの扱いにもぜひご注目いただきたいと思います。
6月23日から新宿シネマカリテ、渋谷アップリンクほか全国順次公開。175.png



by haradakazunori | 2018-06-03 08:16 | 映画

榎田貿易堂

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映画『榎田貿易堂』の試写にいきました。監督・脚本・編集は飯塚健、音楽は海田庄吾、エンディング曲「ハロー」を担当する奥野涼は、ミライスカートへの楽曲提供でも知られていることでしょう。
舞台は群馬県。ゴミ以外を扱うリサイクルショップ、榎田貿易堂の店主には渋川清彦(個人的には『下衆の愛』で強烈に印象付けられました)が扮し、ほか森岡龍、伊藤沙莉、滝藤賢一、片岡礼子、根岸季衣、余貴美子などが登場します。初の人妻役であるという伊藤沙莉のハスキー・ヴォイスがまた、なんともいい味を出しています。
印象的な部分はきりがないほどですが、こういうニュアンスに富んだ作品ほどネタバレは極度にセーブすべきなのかもしれません。というか、とにかく見て、ハッとし、喜んでほしいのです。「夏の字」、「すぐつぶれるだろうと榎田に何度も言われる飲み屋」、「クリーニング店のチャイム」、「珍宝館」・・・いろいろ書きたくもなりますが、ぼくはこういう映画、実は初めて見ました。会話や演技のテンポ感が絶妙で、なんというか、その“間”に、自分の心のなかで登場人物の発言や行動に対して相槌やツッコミを入れたくなるのです。言葉を変えればこの2時間のあいだ、ぼくは彼らの仲間になったような気分を味わいました。そんな親しみの持てるキャラクターが、群馬の広い空の下で、どうにかこうにか生きているのです。
そしてセリフのやりとりが、じつに笑えます。といっても爆笑というのではなく、クスリと笑いがもれてしまうというか、人間の情けなさとかしょっぱい部分がにじみ出てくるようなセリフや演出なのです。そのあたり、落語好きも大喜びするのではないかとも思いました。6月9日から東京・新宿武蔵野館、シネマテークたかさき他全国ロードショー。172.png




by haradakazunori | 2018-05-11 09:36 | 映画

スパイナル・タップ

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なんと今回が日本劇場初公開とは! ロック好きにとってはバイブルと言っていいでしょう、爆笑必至の映画『スパイナル・タップ』が6月16日から降臨します。
制作は1984年、監督は2年後に『スタンド・バイ・ミー』を大ヒットさせるロブ・ライナーです。そして主人公は英国のロック・バンド、スパイナル・タップ! 物語は彼らの全米ツアーに密着しつつ、それまでの長く曲がりくねった歴史をひもといていきます。前身バンドの頃はスキッフルを演奏していましたが、1966年の正式デビューの頃にはマージ―ビートで。その後フラワー・ムーヴメントにはまりフォーク・ロック調となり、さらにサイケデリック路線へと包みます。そして映画制作の頃はハードでヘヴィーなサウンドを追求。これほど音楽性を変えながら続くバンドは世界的にも珍しいといえましょう。
主要メンバー3人は基本的に不動ですが(ケンカ別れしてもすぐに戻ります)、ドラマーだけは他人のゲロで窒息死したり、ガーデニングの最中に死んだり、変動が激しいです。3人は基本的に2ギター+1ベース、しかし曲によっては3人でベースを弾くレパートリーもあり(しかもひとりはダブルネックのベースです)、そのへんの細かな描写もまた、音楽好きをクスリとさせることでしょう。口調は「today」を「トゥダイ」と発音するなど英国風の言い方があり、ぼくはザ・クラッシュのポール・シムノンのそれを思い出しました。
楽屋からステージに出ようするも迷って何度も来た場所に戻ってしまうところ、いわくつきの“ストーンヘンジ”、決して弾いても触ってもいけないギター、目盛りが“11”のアンプなど、小ネタがこれでもかと詰め込まれています。演者たちも、架空の伝説的ロック・バンドを演じるのを大いに楽しんでいるのがわかります。さらに実在のミュージシャンが時折出てくるのも、話のリアリティ&うさんくささをさらに加速させてくれます。つまり、要するに、必見なのです! 6月16日から新宿武蔵野館で公開。169.png




by haradakazunori | 2018-05-10 10:29 | 映画

29歳問題

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映画『29歳問題』の試写にいきました。もともと舞台劇で好評だったものを映画化したとのことです。第37回香港電影金像奨で7部門にノミネート、2017年の大阪アジアン映画祭ではプレミア上映されて観客賞を受賞しました。監督・脚本はキーレン・バン、音楽はアラン・ウォンとジャネット・ヨン。挿入歌にはレスリー・チャンやBEYONDの楽曲も使われています。
物語の舞台は「2005年」です。ひとり目の主役は来年30歳になるクリスティ。一流企業に勤め、彼氏もいて、容姿も端麗、はたから見ると何もかもうまくいっている感じですが、本人的には気持ちがどうもすっきりしません。しかし住んでいた(「トレンディな」という言葉を使いたくなります)ところを家主が売却してしまいます。引っ越さざるを得なくなったクリスティは、家主の紹介する仮住まい先(住人はパリに旅行中)に移ります。
その仮住まい先の本来の住人が、ふたり目の主役と言っていいであろうティンロ。演じるジョイス・チェンは実際に「肥姐」という愛称で親しまれているそうですが、とにかくポジティブです。クリスティは仮住まい中、ティンロの日記をのぞき見てしまいます。そして同じ誕生日だと知り、さらに興味を募らせていきます。物語はいつしか、「ティンロの日記に描かれている情景」と「それを読むクリスティの心情」とが交錯する形で進みます。
キーワードは「レコード店」、「パリ」、「病」でしょうか。音楽ファンとしては、レコード店の品ぞろえがすごく気になりました。目を凝らすとデイヴ・ブルーベック『タイム・アウト』、スタン・ゲッツ『ゲッツ/ジルベルト』、チェット・ベイカー『チェット』等のCDジャケットが写り込んでいて、店員はビートルズ『アビー・ロード』のジャケットが印刷されたTシャツを着ています。ロケ風景もたっぷりあり、個人的にも香港は2度行ったことがあるので、そのときの街の匂いや湿気、都会部の建物がおしゃれだったこと、食べ物がおいしかったことなどを思い出しました。
詩情を感じさせる、暖かな作品です。いわゆる映画ファンだけではなく、「最近、映画に行ってないな。学生の頃やつきあいはじめた頃はよく見ていたけど」というカップルや夫婦にも、ぜひ見てほしい内容だと思いました。アクション、カンフー、ミステリーだけが香港映画ではないのです。5月19日から東京YEBISU GARDEN CINEMA、26日から大阪シネ・リーブル梅田、6月2日から名古屋・名演小劇場で公開。178.png





by haradakazunori | 2018-05-09 10:40 | 映画

イカリエ-XB1

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映画イカリエ-XB1』の試写に行きました。『2001年宇宙の旅』や『スター・トレック』にも影響を与えたといわれ、SFファンの間で語り草となっている古典(1963年の旧チェコスロバキア映画)が、4Kレストア化されて蘇ったのです。完成から55年の歳月を経ているというのに、日本で劇場公開されるのは今回が初めて。監督・脚本はインドゥジヒ・ポラーク(パヴェル・ユラーチェクと共同で)、原案はスタニスワフ・レムの『マゼラン星雲』です。
物語の舞台は2163年。制作時からちょうど100年後。現在に立って見れば“たった”45年先です。宇宙船イカリエ-XB1は、アルファ・ケンタウリ系に向かうため地球を旅立ちます。再び地球に戻るのは15年後。その間、40人もの乗組員が同じ乗り物に乗ったまま同じ時の流れを過ごします。愛する妻を残したまま飛行する男がいて、慣れない食事に戸惑う者もいて、緊張する人間関係も生まれ、止められない恋心に悩み、核の恐怖にさらされ、新しい生命の誕生があり・・・それらは未来物語を通じて、普遍そのものを描き出しているかのようです。管弦楽や電子音が入り乱れた音楽、チェコ語の神秘的な響きにも心を奪われることでしょう。
ポラーク監督も、衣装のエステル・クルンバホヴァーも、撮影のヤン・カリシュも、音楽のズデニェク・リシュカも、いまやこの世のひとではありません。しかし作品には、新鮮味が横溢しています。1963年といえば、日本では『鉄腕アトム』や『エイトマン』のアニメ放送が始まった年。その2作品のDVDと見比べて、当時の“未知の世界に寄せる印象”に思いを馳せてみるのも楽しいと思います。怪獣も宇宙生物もガンアクションも登場しません。ただ実に繊細に、登場人物の心の移ろいが描かれます。5月19日から新宿シネマカリテでロードショー。177.png




by haradakazunori | 2018-04-21 10:14 | 映画

ラジオ・コバニ

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映画『ラジオ・コバニ』の試写に行きました。2017年コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭(CPH:DOX)F:ACT賞受賞、2016年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)オランダ・ドキュメンタリー部門サウンド&ヴィジョン賞受賞作品です。
舞台はトルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街・コバニ。2014年9月に「イスラム国」(IS)によって制圧されましたが、翌15年1月に解放されました。しかしその数か月間に、街の大半が崩壊してしまいました。急ピッチで復興を進めていきますが、ガレキの下に埋もれてしまったものが戦禍の生々しさを無言のまま語り、我々はその都度、言葉を失うことになります。
生き残った者は立ち上がり、街を活気づかせるべく動き出します。そのひとりに、20歳の大学生ディロバンがいました。彼女が友人とラジオ局を立ち上げて始めたのは「おはよう コバニ」という番組。不安定な電力供給のなか苦闘しつつも、難民キャンプの親子、ISと戦う女性部隊の司令官、詩人などの“生の声”を届けます。3年間の放送をつづいてディロバンが得たものとは? 彼女自身の生活にはどう変化がもたらされたか? そのあたりに注目して見ると、さらに内容に深入りできるのではと思います。
監督はクルド人のラベー・ドスキー。14日から公開されている『ラッカは静かに虐殺されている』と一緒にご覧になると、さらに“シリアの姿”が立体的に浮かび上がることでしょう。5月12日よりアップリンク渋谷、ポレポレ東中野ほか全国順次公開。177.png




by haradakazunori | 2018-04-18 11:52 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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