「原田和典 ブログ人」

吉田戦車 原画展

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銀座「スパンアートギャラリー」で「吉田戦車 原画展」を見る。すばらしかった。外堀通り沿いで場所もわかりやすい。
ぼくは高校の頃から「ビッグコミックスピリッツ」を欠かさず読んでいる。「東京ラブストーリー」や「美味しんぼ」が人気だったころから読みだした。個人的に大好きだったのが「コージ苑」だ。それが終わってしまったときは、3度の飯が1度のどを通らずに2度になるくらいのショックだった。
「コージ苑のような漫画はもう出ないだろう、スピリッツを読んであれほどのエクスタシーを感じることは、もうないのだろうな」と思っていた。だがまったく別の作風で、まったく別のアングルで、それまで個人的には名前も聞いたことのなかった漫画家の作品がドカンと鮮烈に出てきた。それが吉田戦車の「伝染るんです。」だ。
得体の知れなさ、わけのわからなさに心を打たれた。それが自分には快感だった。かわうそが人気キャラになったのは物語の中盤くらいで、後半には山崎先生が人気を得た(両者をフィーチャーした実写版?のVHSもあった)。内容を知らせると背後から槍で首筋を刺される謎のゲーム“フルゴン”に感銘を受け、同名のバンドを組んだこともある。斎藤さんが受験に落ちて海賊になる展開には「がんばれ斎藤さん」と親族のように応援してしまったし、ついでにいうと斎藤さんが当時バリバリにお茶の間にやらしさを運んでいた杉本彩のファンであることも知った(カブトムシなのに、セクシー志向の人間女性が好みなのだ)。
原画展では、火星田マチ子と再会できたのも嬉しかった。“こぶし”を盗んで火星人初の演歌歌手になるのだが、その“こぶし”を盗む過程を生原稿で見ることができるとは、嬉しすぎる。たしか火星田マチ子だったか彼の父だったかは火星独自の音楽“プック”を、クローバーのような形のレコードで出していると記憶しているが、実際はどうだったか、久しぶりに単行本を引っ張り出して振り返ってみようと思う。
とにかく楽しい展示だった。心が晴れた。今日で終わるとのことだが、続編、続続編も楽しみにしたい。172.png





# by haradakazunori | 2017-04-04 10:32 | イベント

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ

 
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映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」の試写に行きました。2016年イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)で最多16部門にノミネート、7部門を受賞しました。
「鋼鉄ジーグ」ときいて、“なつかしい”と思う方もいらっしゃることでしょう。ぼくも子供の頃、再放送のテレビアニメを見たことがあります。原作は永井豪、主人公はいつの間にか人間からサイボーグに生まれ変わってしまった司馬宙(シバヒロシ)です。
この物語にインスパイアされ、イタリアの映画会社が、イタリア人の俳優を使って実写版を作ってしまったのです。監督・音楽・制作がガブリエーレ・マイネッティ、主人公のエンツォ(「俺はヒロシ・シバだ」というセリフもあり)には、「緑はよみがえる」や「海と大陸」に登場したクラウディオ・サンタマリアが扮します。
「鋼鉄ジーグ」がどのようにストーリーのダシとして機能しているかは、もちろん見てのお楽しみですが、個人的にはイタリア語に吹き替えられた主題歌にも大きな感銘を受けました。これを見て、ぼくはもっと今のイタリア映画に関心が湧いてきましたし、「鋼鉄ジーグ」自体も改めて鑑賞したくなりました。とにかく面白い作品です。「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」というタイトルは、日本でつけたものではなく、イタリア語のそれを直訳したものなのだそうです。
5月20日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館でロードショー。165.png



# by haradakazunori | 2017-03-31 11:49 | 映画

雑誌情報



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「レコード・コレクターズ」の最新号に書いています。
「ミュージック・マガジン」の最新号に書いています。
「CDジャーナル」の最新号に書いています。
「ジャズジャパン」の最新号に書いています。辛島文雄さんの追悼記事です。
「HiVi」の最新号に書いています。コンテンポラリー・レーベルのSACDについて(完結編)です。
以上、ぜひぜひよろしくお願いいたします。060.gif




# by haradakazunori | 2017-03-23 10:14 | 書籍・雑誌

CD&雑誌情報

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既報のECMレーベルのSACDハイブリッド、タワーレコードから絶賛発売中です。ラインナップは
キース・ジャレット『ザ・ケルン・コンサート』
チック・コリア『リターン・トゥ・フォーエヴァー』
パット・メセニー『ブライト・サイズ・ライフ』
です。
またウェス・モンゴメリー『BBC『ジャズ625』 +5』(SSJ)
オリジナル・サウンドトラック『セッション(原題;Whiplash)』(ユニバーサルミュージック)
ノラ・ジョーンズ、ハービー・ハンコック他『ジャズ100年のヒット曲』(同)
Fujikochans『introducing Fujikochans with Yuji Ohno & Friends』(バップ)
ドロシー・アシュビー『ドロシー・アシュビー & ソフト・ウィンズ』(クリンク)
以上すべて、ぼくが解説を書いています。
また、「ブルース&ソウル・レコーズ」の最新号にも書いています。
マヘリア・ジャクソンの記事、素晴らしいです。あとワシントン・フィリップスの楽器の謎にも、霧が晴れたような思いがしました。ぜひどうぞ。010.gif




# by haradakazunori | 2017-03-12 08:06 | CD

作家、本当のJ.T.リロイ

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映画「作家、本当のJ.T.リロイ」の試写に行きました。
J.T.リロイはベストセラー3冊を残した“天才作家”です。デビュー作「サラ、神に背いた少年」は、母親とその恋人から虐待を受け、母親の真似をして女装の男娼となった彼の“自伝”ということで世に出ました。しかしこれは創作でした。ローラ・アルバ―トという女性が、J.T.リロイという別キャラを演じ、自分の中で醸造した物語でした。
しかし、作品が大きな評判を呼んだことにより、J.T.リロイには時の人として人前に出る必要が出ました。しかしローラは140㎏もある一児の母で、どう考えても「男子」には見えません。そこで彼女は痩せていて若い親戚の女性にウィッグをかぶせ、大きなサングラスをかけさせて、彼女を「J.T.リロイ」として人前に出します。
もちろん発言や行動は付き人「スピーディー」に扮したローラが遠隔操作していたのですが、その女性も生身の人間であり、やがてローラの想定を超えて動き出してしまいます。「本当に、あのサングラスの女性が、あの作品を書いたのか?」という疑問が、やはり文章を生業とする雑誌記者の間から起こったとしても不思議ではありません。
とにかく「事実は小説よりも奇なり」を地で行くような話です。また電話での会話や留守電用のマイクロカセットテープが、これほど大きくフィーチャーされた映画も稀でしょう。J.T.事件は90年代終わりから2000年代半ばまでの話です。でも今はメールやLINEの時代です。でもメールやLINEの画面がスクリーンに大写しになったところで、「回っているマイクロカセットテープから流れる、こもり気味の音声」が生み出す迫真性、不気味さには遠く及ばないだろうなあ、という気もしました。
監督のジェフ・フォイヤージークは、あの感動的な名作「悪魔とダニエル・ジョンストン」の監督でもあります。彼の着眼点はすごい。改めて敬意を表します。4月8日から新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷で公開。061.gif




# by haradakazunori | 2017-03-10 12:04 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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