「原田和典 ブログ人」

ソニータ

c0348127_11410078.jpg
映画「ソニータ」の試写に行きました。監督はロクサレ・ガエム・マガミ(出演も)、出演はソニータ・アリザデ他。スイス、ドイツ、イランの合作です。
ソニータはアフガニスタンからイランに逃れた少女で、テヘラン郊外の貧困地域に滞在許可書なく暮らしている難民のひとりです。公的な書類が存在しないので、誕生日もわかりませんが、撮影当時はおそらく16~18歳。彼女にはラッパーになる夢があります。そして将来はマイケル・ジャクソンのようなスター、大勢の観客の前でパフォーマンスをしたいと考えています。大会場で歌うシンガーの写真に自分の顔写真を重ねて張り、「いつか私もこうなるんだ」と気持ちを込めます。
やがて彼女のラップは動画サイトで公開され、評判を集め始めます。もちろん親、親戚、学校にとって、そのラップは「わけのわからないもの」であったでしょうが、遠く海外の視聴者の目にも入り、ついには「奨学金を得てアメリカの音楽学校で学ばないか」というオファーも来ました。そのためにはパスポートやヴィザが必要です。さあ、彼女はそれを獲得できるのか・・・
メモをとらずに見たので詳細は定かではないのですが、彼女がカメラを見据えて、とても強い調子で「私が認められるべき場所に私は行きたい」というような発言をした場面が強く印象に残りました。ぼくも彼女と同じくらいの頃、燃えるような気持ちでそう思っていましたし、いまもその炎は過熱するばかり、おそらく死んでも探し続けるだろうと思うからです。おそらく現在のソニータは英語もマスターし、世界人へのステップを駆けあがっていることでしょう。
ドラマのようなドキュメンタリーであり、ドキュメンタリーのようなドラマでもある、という印象を受けました。サンダンス映画祭2016ワールドシネマ部門グランプリ&観客賞(ダブル受賞)など、多数の賞を受賞しています。この作品が日本でかけられることが決まって本当に良かったです。10月21日からアップリンク渋谷で公開。173.png




# by haradakazunori | 2017-09-23 10:12 | 映画

デヴィッド・ギルモア ライヴ・アット・ポンペイ

c0348127_10523532.jpg
映像作品「デヴィッド・ギルモア ライヴ・アット・ポンペイ」の上映会に行きました。
ギルモアは、ぼくにとってまだ見ぬ大物です。ピンク・フロイドの公演は世代的に間に合わず(ロジャー・ウォーターズのソロは見に行きましたが)、ギルモア自身も約30年間来日していません。しかも、この作品のライヴ会場は“ポンペイ”です。ぼくは子供の頃、NHKのテレビ番組「ヤング・ミュージック・ショー」でピンク・フロイドのポンペイ・ライヴを見ました。プログレのプの字も知らない、というよりも、文字も読み書きもできなかったほど幼い頃ですが、「ああ、なんかすごいことをやっているんだなあ」ということだけはわかりました。
その世界遺産ポンペイで、2016年にギルモアがコンサートを開いたのです(ポンペイ円形闘技場)。むろんフロイドの曲もたくさん演奏しますが(「クレイジー・ダイアモンド」は鳥肌ものです)、なによりも印象に残ったのはレイドバック感、ブルース・ロック感でした。しかもバックの音が異様にかっこいい、と目をこらしたら、グレッグ・フィリンゲインズ(先日、デイヴ・コーズのバックでブルーノート東京に出ました)やチャック・リーヴェルが入っているのですから、それはかっこいいはずです。ギルモアもギターはセクシーだし、歌にコクがあるし、たたずまいが凛としていて、とにかくいいトシのとり方をしています。
空撮を含むカメラ・ワークも極上、夕方にライヴが始まり、進むにつれてどんどんあたりが暗くなっていくあたりも絶品です。照明や演出も申しぶんなく、最後の花火大噴射にはひきずり込まれるような魅力があります。もちろん音質も抜群ですし、ちゃんと小節や曲展開をわきまえて切り替わるカメラ・ワークは、とても気持ちの良いものでした。
9月25日に東京・Zepp Divercityと大阪・Zepp Namba、9月29日に北海道・札幌シネマフロンティアと愛知・ミッドランドスクエア シネマと福岡T・ジョイ博多で、“絶響上映ライヴ”が行なわれます。また、10月11日には「デラックス・ボックス・ヴァージョン」、「2CDヴァージョン」、「BDヴァージョン」がソニーミュージックから発売されます。157.png




# by haradakazunori | 2017-09-22 10:55 | 映画

雑誌情報

c0348127_10534307.jpg
c0348127_10562712.jpg
c0348127_10533812.jpg
c0348127_10534095.png
c0348127_10533231.jpg
「レコード・コレクターズ」の最新号に書いています。
「ミュージック・マガジン」の最新号に書いています。有安杏果さんインタビューです。
「CDジャーナル」の最新号に書いています。
「ジャズジャパン」の最新号に書いています。上原ひろみさんインタビューです。
「ブルース&ソウル・レコーズ」の最新号にも書いています。ジョン・リー・フッカー特集!!
以上、よろしくお願いします!102.png




# by haradakazunori | 2017-09-21 10:57 | 書籍・雑誌

本日発売!

c0348127_10415682.jpg
デンマークのジャズ・レーベル“スティープルチェイス”の楽曲を選び抜いたCD、『スティープルチェイス・デラックス』が本日ディスクユニオンのThink!レーベルから発売されました。ディスクユニオンをはじめとするCDショップでも、ウェブ上でも入手可能です。
スティープルチェイスは今年、創立45周年です。そして日本とデンマークの国交は今年で150周年です。その歴史が永遠に続くようにと願い、選曲しました。内容は次の通りです。「ひとりも知らない」「1曲も知らない」という方にも、ぜひ未知のものに入っていくワクワクした感じを味わってほしいと思っております。
1. Just Keep A-Walkin’/ Horace Parlan Trio/Quintet
2. Bilad As Sudan (Land Of The Blacks) / René McLean Sextet
3. Scorpio / Clifford Jordan
4. 400 Years Ago Tomorrow / Walter Davis Jr.
5. Lean Years / Doug Raney Quintet
6. Duo Trip / Kenny Drew & Niels-Henning Ørsted Pedersen
7. Better Than Anything / Sheila Jordan & Arild Anderson
8. So What / Dexter Gordon Quartet
9. Sea / Duke Jordan Trio
10. Airebil / Ken McIntyre
11. I Think I Got It / Nat Adderley Septet
12. Great Rainstreet Blues / Jackie McLean Quintet
13. Nothing But A Man / Billy Gault
また、ディスクユニオンでは、「SteepleChase 45th Anniversary Legend Collection」と題して、単品でスティープルチェイスの作品を100枚出しています。その中から選曲しているので、「なにか単品が欲しい」という方のガイドにもなるのではないかと思います。
KUDUレーベルの音源から選曲した(世界で初めての試みだったそうです)『キャッチ・マイ・ソウル』『キープ・ユア・ソウル』2部作を22歳の時に出して以来、DJでもないのに数々の作品を選曲することができているのは本当に光栄です。よろしくお願いします!172.png





# by haradakazunori | 2017-09-20 10:45 | CD

ポリーナ、私を踊る

c0348127_11183059.jpg
映画ポリーナ、私を踊るの試写に行きました。監督はヴァレリー・ミュラー(脚本も)、アンジュラン・プレルジョカージュ。出演はアナスタシア・シェフツォワ、ニールス・シュナイダー、ジェレミー・ベランガール他。
原作はバスティアン・ヴィヴェスのグラフィックノベル(平たく言えばマンガ)「ポリーナ」です。それの実写化です。
主人公のポリーナはロシア出身。4歳からバレエを始め、ボリショイ・バレエ団のバレリーナを目指して猛練習を重ねています。努力の甲斐あってオーディションには合格しましたが、フランス人ダンサーのアドリアンと出会い、恋に落ち、さらにコンテンポラリー・ダンスの現場を見て衝撃を受けます。
バレエの伝統や形式で(おそらく)育った彼女は、コンテンポラリー・ダンスの自由さ、斬新さに大感激したのだと思います。そしてそこにはアドリアンへの高まるばかりの愛情が加わっていたはずです(しだいにフランス語が上達していくのも、フランス人の彼氏に思うところを伝える言語スキルを身に着けるためでしょう)。ふたりは南フランスでコンテンポラリー・ダンスに打ち込みます。「あの役(映画の中では、はっきり触れられていますが)をやりたい。あれができるのは私しかいない」と主張するポリーナ。それを時期尚早だと、やさしく説得するコーチ。そこで納得せず、「じゃあ自分のセンスが通じる場所を自分で見つけ出してやるぜ」とばかりに外部に踏み出すポリーナに、いつしか、ぼくは自分の10代、20代の頃を重ね合わせていました。
後半1時間は、ポリーナの激情、強い自我に目を見張らされます。彼女はまさしく、ぶつかり、傷つき、ころげまわりながらも、自分の人生を生きているのです。ラスト・シーンの展開は、まさしく「私を踊る」という邦題にぴったりです。10月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷でロードショー。164.png





# by haradakazunori | 2017-09-16 11:20 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
by harada kazunori
プロフィールを見る
画像一覧

最新のコメント

最新のトラックバック

venusgood.co..
from venusgood.com/..
venussome.com
from venussome.com
http://while..
from http://whileli..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
「ボーン・トゥ・ビー・ブ..
from ここなつ映画レビュー

検索

ブログパーツ

最新の記事

CD情報
at 2017-12-12 11:38
否定と肯定
at 2017-11-27 10:35
雑誌情報
at 2017-11-21 09:46
CD情報
at 2017-11-20 10:57
新世紀 パリ・オペラ座
at 2017-11-19 08:13
THE PROMISE 君へ..
at 2017-11-18 11:39
ジャコメッティ 最後の肖像
at 2017-11-08 11:46
目撃者 闇の中の瞳
at 2017-11-07 11:08

外部リンク

ファン