「原田和典 ブログ人」

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ボンジュール、アン

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映画「ボンジュール、アン」の試写に行きました。
原題は「Paris Can Wait」。何を待っているのだろうと思いながら見はじめましたが、やがて「ああ、そういうことだったのか」と誰もが納得することでしょう。主役のアン(ダイアン・レイン)は、多忙を極める映画プロデューサー(アレック・ボールドウィン)の妻。一緒に飛行機でカンヌからパリに行く予定でしたが、耳の調子がいまいちなので飛行機に乗るのは避けようと、車でパリに向かうことにします。ハンドルを握るのは夫の仕事仲間であるジャック(アルノー・ヴィアール)。フランス語のできないアンにとって、フランス人であり、フランスの名所をいろいろ知っていて、いろんな場所に知り合いのいるジャックの存在は心強いものでした。しかも「父親に似ている」というのです。
ふたりはいろんな場所を“寄り道”しながら、時間をかけてパリに向かいます。その間、さまざまな場所、さまざまな風景が画面に登場します。これは、一種のロード・ムーヴィーでもあるのです。暴力や犯罪のシーンもなく、ギョッとするような展開もないですが、そのかわり、おいしいに間違いないであろう食事、風にそよぐ草原や自然光などがスクリーンにあらわれて、なごませてくれます。
監督はエレノア・コッポラ。もちろんフランシス・フォード・コッポラの妻で、女優としても有名な、あのエレノアです。長編劇映画を監督するのは今回が初めてなのだそうですが、とてもインティミトな作品になっていると思います。7月7日からTOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日本橋、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで公開。101.png





by haradakazunori | 2017-05-28 09:27 | 映画

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

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映画「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」の試写に行きました。監督はスティーヴン・カンター、イギリスとアメリカの共同制作です。
この作品はセルゲイのドキュメンタリーです。1989年ウクライナに生まれ、13歳で英国ロイヤル・バレエスクールに入学、19歳でロイヤル・バレエ団の史上最年少男性プリンシパルになります。しかしその2年後、人気絶頂の時に退団。ドラッグとも闘っていた描写もありましたが、ホージアのヒット曲「Take Me to Church」のミュージック・ビデオ(デヴィッド・ラシャベル監督)でのダンスが話題を集め、動画サイトでは1800万回以上再生されました(いまも増え続けています)。
この映画は2016年完成、ということはその数年前に制作が始まったのでしょう。そうなるとスタッフは当時「20代なかばのひと」を題材にドキュメンタリー映画を作っていた、ということになります。「何十年も前に死んだ伝説の人物」「長い時間を生きてきたレジェンド」ならともかく、現在進行形の気鋭を扱うケースは比較的珍しいはずです。それほどセルゲイが価値のある人物だ、ということでもあるのでしょうが、ぼくは、「この若さで英雄視されるのも、実に大変なことであるなあ」という気持ちを、“天才”に対して持ちました。
また印象的だったのは、子供のころに撮影されたダンスの映像がたくさんフィーチャーされていたことです。自分の世代にはありえなかったことです。さすが1989年生まれ(Perfumeと同世代です)だなあと感じました。両親も早くからセルゲイの才能に気づいていて、「いつか息子が大物になって、英語圏のスタッフがドキュメンタリーをつくるために尋ねてきたら、そのときに提供できるな」と思いながら撮っていたのではないか・・・とすら思えるほど、カメラ・ワークも絶妙なのです。
正直に言いましょう。見終わったあと、ぼくの周りをぐるぐるしていたのは、天才に対するあこがれと嫉妬です。天才ではない皆さんに、ぜひこれを見てほしいと思います。7月15日から、渋谷Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館で公開。101.png





by haradakazunori | 2017-05-27 10:17 | 映画

ローラ

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7月下旬、特集上映「ドゥミとヴァルダ、幸福(しあわせ)についての5つの物語」が行なわれます(渋谷・シアターイメージフォーラムほか全国順次ロードショー)。
その中から「ローラ」(ジャック・ドゥミ監督)の試写が行なわれました。1961年制作、201 2年のデジタル修復完全版です。出演はアヌーク・エーメ、マルク・ミシェル、ジャック・アルダン、アラン・スコット等。
ストーリーに関しては何度もいろんな方が語りつくしてきたことでしょう。確かに「語りたくなる力」を持つ作品です。初恋のひとを待ち続ける大人の女性ローラと、アメリカ人の兵隊に恋をする14歳のセシルの“相似”が見事です。書店とレコード店を兼ねた場所のシーンで、「サッシャ・ディステルのレコードが欲しい」「また今度ね」というような母娘の会話があったのにもしびれました。サッシャはジミー・レイニーの影響を受けたジャズ・ギタリストで、ポップス(シャンソン)歌手としても知られ、ルックスも良くてアイドル的な人気もあったのでした。ブリジット・バルドーと出会ったのは1957年頃、結婚寸前までいきました。
音楽はミシェル・ルグランが担当、のちに「Watch What Happens」という英語タイトルで世界に知られるようになるメロディはこれが初出です(「ローラのテーマ」)。ドゥミはこの曲がよほど好きだったのか、映画『シェルブールの雨傘』でも「カサールの告白」というタイトルで使用しています。ルグランの自伝では『シェルブール』が初出のように書いてありますが、「自伝は記憶違いの宝庫」というのが、ぼくの率直な考えです。
他の上映作品は「天使の入江」(劇場正式初公開)、「ジャック・ドゥミの少年期」、「5時から7時までのクレオ」、「幸福(しあわせ)」、さらに「幸福(しあわせ)」との同時特別上映で「3つのボタン」(デヴィッド・ビニー、セバスチャン・テクシエ、ジャン=フィリップ・ヴィレ等が音楽を担当)。必見です!172.png





by haradakazunori | 2017-05-26 09:14 | 映画

雑誌情報

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「レコード・コレクターズ」の最新号に書いています。
「ミュージック・マガジン」の最新号に書いています。
「CDジャーナル」の最新号に書いています。
「ジャズジャパン」の最新号に書いています。チェット・ベイカーの特集記事です。
「映画秘宝」の最新号では6月17日公開「-約束の地、メンフィス 〜テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー〜」について書いています。
以上、ぜひぜひよろしくお願いいたします。107.png




by haradakazunori | 2017-05-23 11:13 | 書籍・雑誌

ハロルドとリリアン

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映画「ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー」の試写に行きました。監督と脚本はダニエル・レイム、エグゼクティヴ・プロデューサーはダニー・デヴィ―トです。
これはハロルドとリリアンのマイケルソン夫妻の物語です。ぼくは不勉強にして、おふたりの存在をここで初めて知りました。故ハロルドはストーリーボード・アーティスト(絵コンテ作家)、リリアンは映画リサーチャーです。前者は“言葉で書かれた脚本をカメラの視点で捉え、カットごとにイラスト化した映像の設計図を作成する仕事”、後者は“映画を作るうえで必要な情報を調査・収集する専門家(時代考証など)”です。映画づくりに欠かすことのできない縁の下の力持ちが、この夫婦なのです。
ふたりの関わった映画は「十戒」「ベン・ハー」「ウエスト・サイド物語」「鳥」「卒業」「エクソシスト」「ロッキー」「スタートレック」「ラストエンペラー」等、数えきれないほどあります。洋画ファンなら、知らず知らずのうちに夫妻の偉業に接しているわけです。「ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー」では、ハロルドの絵コンテと実際の画面を同時に紹介するシーンもあるのですが、この場面は特に圧巻です。いかに監督たちがハロルドのセンスを信頼し、高く評価していたかが、ありありとわかります。しんそこ「見てよかった」と思える心暖まる作品です。
5月27日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー。165.png





by haradakazunori | 2017-05-14 09:43 | 映画

CD情報

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先日の来日公演も大好評だったシンガー&ピアニスト、サラ・マッケンジーのアルバム『雨のパリで』(ユニバーサルミュージック)の解説を書きました。
また、ディスクユニオンから発売中の“STEEPLE CHASE創設45周年記念「45th Anniversary LEGEND COLLETION」”の、各作品についている帯のコメント文も書いています。スティープルチェイスは1972年、デンマークで設立されたジャズのレコード会社です。アメリカでの録音も積極的に行なっていて、今なお精力的な活動を続けています。そのスティープルチェイスの作品が、まとまって再発されるのは、僕の知る限り20数年ぶりです。ラインナップはこちら! 
以上、すべてどうぞ!




by haradakazunori | 2017-05-13 10:54 | CD

夜に生きる

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映画「夜に生きる」の試写に行きました。監督・脚本・主演はベン・アフレック(原作はデニス・ルヘイン)。物語の舞台は禁酒法時代のアメリカです(つまりフランシス・フォード・コッポラ監督「コットン・クラブ」と同じ頃の時代を描いている)。それだけでもわくわくしますが、しかもアフレック演じる主人公が、警察幹部の息子からギャングへ転身するという変わり種なのです。何が善で何が悪なのか? 思いっきり主人公、揺れ動いてます。
時間が経っていくごとに主人公に感情移入していったのは、ぼくだけではないでしょう。「よかった、これで落ち着いたか」とホッとすると、「世の中、そんなに甘いもんじゃねえ」とばかりに、大どんでん返しがやってきます。2時間10分、油断できません。歌手ニーナ・シモンの伝記映画でニーナ役を演じたジョーイ・サルダナも好演です。
そして収録された物音の素晴らしさにも唸らされました。車が爆走する音、ピストルから弾が勢いよく飛び出すときの音、暴力シーンでの音、すべてがヴィヴィッドで生々しいです。5月20日から全国公開。165.png





by haradakazunori | 2017-05-12 10:21 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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