「原田和典 ブログ人」

カテゴリ:映画( 44 )




「ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~」

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映画「ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~」の試写に行ってまいりました。監督はテイト・テイラー、プロデューサーはミック・ジャガー。そしてブラウンにはチャドウィック・ボーズマンが扮します。見たところブラウンよりいい男、背も高いようですが、しゃべり方はブラウンそっくりといってよく、ライヴ・パフォーマンスでの股割り(スプリット)やダンスも見事にコピーしています。さらにブラウンの受け口を再現するために、特殊なアタッチメントを口につけるという徹底ぶり。歌唱は「王者の替わりはいない」ということなのか、すべてブラウン本人の吹き込みが使われていますが、チャドウィックの動きとのシンクロ具合には驚くしかありません。
ほかにも「メイシオ・パーカーに扮した役者が、なぜ太ったオッサンなのか」、「1955年のレコード会社のオフィスの壁に、なぜ1958年のビル・ドゲットのLPジャケットがあるのか」等のツッコミはありますが、なにしろブラウン本人の歌唱が素晴らしすぎて、ただひたすら圧倒されたまま、約2時間20分を過ごしました。
ぼくは今まで生きてきて、「日本では思いのほかブラック・ミュージックが受け入れられていない。この音楽に心を燃やす自分は圧倒的な少数派なのだろう」ということを日々、痛感しています。ブラウンにまつわる映画が日本で公開されるのは快挙です。これを機会に、王者ブラウンの全盛期の名唱の数々が、朝に昼に夜に、ラジオやテレビや街頭でガンガン流れることを願ってやみません。もうそろそろみんな、ぬるくて、あまったるくて、退屈で、にやけた、口先や手先だけの音楽には飽きてきただろ? 5月30日(土)から渋谷・シネクイントほかで全国公開。053.gif






by haradakazunori | 2015-04-10 11:29 | 映画

アラヤシキの住人たち

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映画「アラヤシキの住人たち」の試写に行ってきました。ベルリン国際映画祭を受賞した『アレクセイと泉』の本橋成一監督の、6年ぶりの新作です。
長野県小谷村の、車の通わない山道を1時間半歩いたところにある「真木共働学舎」(1974年創設)が舞台です。今の社会に肉体的・精神的な生きづらさを抱えているひとたちが集まって、寝食を共にするコミュニティといえばいいでしょうか。学舎の四季を、ゆるやかに約2時間の中にまとめています。出演者は俳優などではなく、みんな「素人」です。飾りのない振る舞い、笑顔、怒りに、ぼくはいつしか自分自身を重ねていました。農業、掃除、考えの行き違いによる口論、山羊の出産、結婚式など数々のシーンが登場します。ラジオ体操をする犬、クリスマス・ソングを歌うひとの腕に抱かれる猫、印象的です。また、どういうふうにマイクを立てたのか、音質も素晴らしく良いです。
5月1日から、東京・ポレポレ東中野にてロードショー、その後、順次全国公開とのことです。063.gif




by haradakazunori | 2015-03-20 09:49 | 映画

パーフェクト・プラン

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映画「パーフェクト・プラン」の試写にいきました。監督はヘンリク・ルーベン・ゲンツ、主演はジェームズ・フランコとケイト・ハドソン。セリフは英語です。主演ふたり扮する夫婦がアメリカ・シカゴからイギリスに移住したのですが、生活は一向に楽にならず、「いくらいくら払わないとアパートを出て行ってもらう」という勧告を受ける。そんな日が続く中、階下の住人が大量の札束を散乱させたまま怪死。そのお金に手を付けた夫婦の末路やいかに・・・というストーリーです。
もったいぶったところのない演出、ものすごくわかりやすい展開、90分という適度な時間(ぼくは戦後日本のプログラム・ピクチャーが好きなので、このくらいの尺がちょうどいい)、全部が歯切れよかったです。「1本映画を見ると移動時間を含めて4~5時間かかる」という方でも、この映画ならばすっきり見て楽しんで次の用事に移れると思います。2015年2月28日からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、ユナイテッド・シネマ豊洲で上映。061.gif




by haradakazunori | 2014-12-24 11:00 | 映画

仲代達矢「役者」を生きる

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ドキュメンタリー「仲代達矢「役者」を生きる」(稲塚秀孝監督)の試写に行きました。

50年来の夢だったというイヨネスコ作「授業」の舞台。それに挑む姿が映し出されます。自分を含む出演者の全セリフを紙に書いて覚え(「他人のセリフも覚えることで、芝居全体が深く把握できる」というようなことを山田五十鈴さんに言われ、それを守っているそうです)。繰り返し共演者と稽古を続けたあと、本番が訪れます。出演者は仲代さんを含む3人。90分の舞台のうち、9割は仲代さんのセリフです。それを見ることができる幸運な観客は、毎回50名ほど。黒澤明や小林正樹など数多くの監督に起用された才能が、今、80歳を超えてもなお、生声によるライヴに情熱を燃やしているのが素晴らしいではないですか。

無名塾の話も出ます。「応募者の中から十数名を選び、特訓のあと休みを与え、戻ってきたのは2名」というくだりもリアルでした。

内容は3部構成で、すべてがよどみなく流れます。巨匠をモチーフにした、いくつかのドキュメンタリーには、監督の「巨匠を撮っている俺」というエゴが出すぎてイヤになるものもあります。しかし本作にはそれがない。稲塚さんは本当に仲代さん、演劇、そしてドキュメンタリーに敬意を持っているのだと思います。1月31日から渋谷ユーロスペースでモーニングショー。







by haradakazunori | 2014-12-18 09:18 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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