「原田和典 ブログ人」

カテゴリ:映画( 58 )




女の一生

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映画「女の一生」の試写に行きました。もちろん原作はギィ・ド・モーパッサンです。野村芳太郎が脚色した岩下志麻版、新藤兼人が脚色した乙羽信子版は見たことがありますが、考えてみればフランス語で見るのはこれが初めてです。出演はジュディット・シュムラ、ジャン=ピエール・ダルッサン他。監督はステファヌ・ブリゼです。
10代の清純な女性→子爵と交際を始める→子爵と結婚→別の女性が妊娠。父親は不明→夫の寝室に行くとその女性が→自分とつきあう以前から交際していたことを知るが、ほぼ同時に自分の妊娠にも気づく→謝る夫→つかの間の平穏な日々→しかし夫は伯爵夫人と交際を始める→母が死亡→母の手紙を見たら母も「禁断の恋をしていた」ことがわかる→伯爵、自害→息子が12歳になり、寄宿学校へ→息子、惚れた女性のために莫大な借金をする→息子を連れ返すが、まもなく「彼女とロンドンに行く」と家出
物語はまだまだ続くのですが、とにかくこういう、ドロドロしたアップダウンの激しいストーリーを、静謐な画面、抑えめのセリフ、ほとんど入らない音楽で淡々と描くのが、この映画のすごみであり、面白さです。原作が刊行されたのは1883年のこと。映画にも当時の情景が描かれており、ぼくは「時代劇」としても見ましたが、人間に「ひとを好きになる心」がある限り、このテーマは永遠です。
ヴェネツィア国際映画祭2016国際批評家連盟賞受賞、2016年ルイ・デリュック賞受賞など数々の栄誉に輝いています。12月9日から来年2月2日まで岩波ホールで上映。172.png




by haradakazunori | 2017-10-20 09:49 | 映画

リュミエール!

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映画「リュミエール!」の試写に行きました。
ぼくがこの作品のクレジットを見て、まず気になったのがプロデューサーにベルトラン・タヴェルニエの名があったことです。そうです、あの映画「ラウンド・ミッドナイト」(主演:デクスター・ゴードン、音楽ディレクター:ハービー・ハンコック)の監督です。彼がどんなふうに、“映画の父”リュミエール兄弟のレガシーに挑むのか、という興味がわいてきたのです。
もっともこの作品の監督・脚本・プロデューサー・ナレーションは、カンヌ国際映画祭総代表のティエリー・フレモーです。映像は1895年からの10年間、リュミエール研究所が残したシネマトグラフ短編映画集から。1422本のうち、108本(各50秒)がとりあげられています。
修復作業も秀逸だったのでしょう、今から120年も前の映像なのに、すごく鮮明で力強いです。1台の固定カメラで撮っていますが、豊かな陰影、確かな奥行きなどなど、まるでワンポイント・マイクで録音された優秀なモノラル・レコーディングを味わっているような、ものすごく自然な広がり、遠近感に触れることができました。そして、とりわけ生き生きしているなあと思ったのが、猫や馬の動き、そして子供たちの表情です。動画発明の時点ですでに、「動物と子供には勝てなかった」のです。
1900年パリ万博での、「木造の動く歩道」にも感銘を受けました。これに、ひょっとしたら川上音二郎・貞奴夫妻も乗っていたかもしれないのです。しかも夫妻はこのとき、活動写真も収録している(当作品には入っていません)。動く音二郎夫妻、フランスのどこかに残っているはずなので、ぜひ探し出してほしいものです。とにかく音二郎はレコーディングすらないのですから(夫妻を除く“音二郎一座”の音源は存在しますが)。
書きたいこと、矢間ほどありますが、百聞は一見にしかずです。10月28日より東京都写真美術館ホール他、全国順次公開。166.png





by haradakazunori | 2017-09-24 10:32 | 映画

ソニータ

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映画「ソニータ」の試写に行きました。監督はロクサレ・ガエム・マガミ(出演も)、出演はソニータ・アリザデ他。スイス、ドイツ、イランの合作です。
ソニータはアフガニスタンからイランに逃れた少女で、テヘラン郊外の貧困地域に滞在許可書なく暮らしている難民のひとりです。公的な書類が存在しないので、誕生日もわかりませんが、撮影当時はおそらく16~18歳。彼女にはラッパーになる夢があります。そして将来はマイケル・ジャクソンのようなスター、大勢の観客の前でパフォーマンスをしたいと考えています。大会場で歌うシンガーの写真に自分の顔写真を重ねて張り、「いつか私もこうなるんだ」と気持ちを込めます。
やがて彼女のラップは動画サイトで公開され、評判を集め始めます。もちろん親、親戚、学校にとって、そのラップは「わけのわからないもの」であったでしょうが、遠く海外の視聴者の目にも入り、ついには「奨学金を得てアメリカの音楽学校で学ばないか」というオファーも来ました。そのためにはパスポートやヴィザが必要です。さあ、彼女はそれを獲得できるのか・・・
メモをとらずに見たので詳細は定かではないのですが、彼女がカメラを見据えて、とても強い調子で「私が認められるべき場所に私は行きたい」というような発言をした場面が強く印象に残りました。ぼくも彼女と同じくらいの頃、燃えるような気持ちでそう思っていましたし、いまもその炎は過熱するばかり、おそらく死んでも探し続けるだろうと思うからです。おそらく現在のソニータは英語もマスターし、世界人へのステップを駆けあがっていることでしょう。
ドラマのようなドキュメンタリーであり、ドキュメンタリーのようなドラマでもある、という印象を受けました。サンダンス映画祭2016ワールドシネマ部門グランプリ&観客賞(ダブル受賞)など、多数の賞を受賞しています。この作品が日本でかけられることが決まって本当に良かったです。10月21日からアップリンク渋谷で公開。173.png




by haradakazunori | 2017-09-23 10:12 | 映画

デヴィッド・ギルモア ライヴ・アット・ポンペイ

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映像作品「デヴィッド・ギルモア ライヴ・アット・ポンペイ」の上映会に行きました。
ギルモアは、ぼくにとってまだ見ぬ大物です。ピンク・フロイドの公演は世代的に間に合わず(ロジャー・ウォーターズのソロは見に行きましたが)、ギルモア自身も約30年間来日していません。しかも、この作品のライヴ会場は“ポンペイ”です。ぼくは子供の頃、NHKのテレビ番組「ヤング・ミュージック・ショー」でピンク・フロイドのポンペイ・ライヴを見ました。プログレのプの字も知らない、というよりも、文字も読み書きもできなかったほど幼い頃ですが、「ああ、なんかすごいことをやっているんだなあ」ということだけはわかりました。
その世界遺産ポンペイで、2016年にギルモアがコンサートを開いたのです(ポンペイ円形闘技場)。むろんフロイドの曲もたくさん演奏しますが(「クレイジー・ダイアモンド」は鳥肌ものです)、なによりも印象に残ったのはレイドバック感、ブルース・ロック感でした。しかもバックの音が異様にかっこいい、と目をこらしたら、グレッグ・フィリンゲインズ(先日、デイヴ・コーズのバックでブルーノート東京に出ました)やチャック・リーヴェルが入っているのですから、それはかっこいいはずです。ギルモアもギターはセクシーだし、歌にコクがあるし、たたずまいが凛としていて、とにかくいいトシのとり方をしています。
空撮を含むカメラ・ワークも極上、夕方にライヴが始まり、進むにつれてどんどんあたりが暗くなっていくあたりも絶品です。照明や演出も申しぶんなく、最後の花火大噴射にはひきずり込まれるような魅力があります。もちろん音質も抜群ですし、ちゃんと小節や曲展開をわきまえて切り替わるカメラ・ワークは、とても気持ちの良いものでした。
9月25日に東京・Zepp Divercityと大阪・Zepp Namba、9月29日に北海道・札幌シネマフロンティアと愛知・ミッドランドスクエア シネマと福岡T・ジョイ博多で、“絶響上映ライヴ”が行なわれます。また、10月11日には「デラックス・ボックス・ヴァージョン」、「2CDヴァージョン」、「BDヴァージョン」がソニーミュージックから発売されます。157.png




by haradakazunori | 2017-09-22 10:55 | 映画

ポリーナ、私を踊る

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映画ポリーナ、私を踊るの試写に行きました。監督はヴァレリー・ミュラー(脚本も)、アンジュラン・プレルジョカージュ。出演はアナスタシア・シェフツォワ、ニールス・シュナイダー、ジェレミー・ベランガール他。
原作はバスティアン・ヴィヴェスのグラフィックノベル(平たく言えばマンガ)「ポリーナ」です。それの実写化です。
主人公のポリーナはロシア出身。4歳からバレエを始め、ボリショイ・バレエ団のバレリーナを目指して猛練習を重ねています。努力の甲斐あってオーディションには合格しましたが、フランス人ダンサーのアドリアンと出会い、恋に落ち、さらにコンテンポラリー・ダンスの現場を見て衝撃を受けます。
バレエの伝統や形式で(おそらく)育った彼女は、コンテンポラリー・ダンスの自由さ、斬新さに大感激したのだと思います。そしてそこにはアドリアンへの高まるばかりの愛情が加わっていたはずです(しだいにフランス語が上達していくのも、フランス人の彼氏に思うところを伝える言語スキルを身に着けるためでしょう)。ふたりは南フランスでコンテンポラリー・ダンスに打ち込みます。「あの役(映画の中では、はっきり触れられていますが)をやりたい。あれができるのは私しかいない」と主張するポリーナ。それを時期尚早だと、やさしく説得するコーチ。そこで納得せず、「じゃあ自分のセンスが通じる場所を自分で見つけ出してやるぜ」とばかりに外部に踏み出すポリーナに、いつしか、ぼくは自分の10代、20代の頃を重ね合わせていました。
後半1時間は、ポリーナの激情、強い自我に目を見張らされます。彼女はまさしく、ぶつかり、傷つき、ころげまわりながらも、自分の人生を生きているのです。ラスト・シーンの展開は、まさしく「私を踊る」という邦題にぴったりです。10月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷でロードショー。164.png





by haradakazunori | 2017-09-16 11:20 | 映画

ニコトコ島+石と歌とペタ

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「ニコトコ島」と「石と歌とペタ」の試写に行きました。監督は大力拓哉・三浦崇志のコンビです。ふたりは幼なじみで、2007年から作品を共作しています。今回はその中から、2作品が一般初公開されるのです。
「ニコトコ島」はイメージフォーラム・フェスティバルで大賞を受賞し、ロカルノ国際映画祭コンペティション部門に招待された2008年の作品。全編モノクロ映像。仲良し3人組がフェリーに乗り(どうやら一晩かかる移動だったようです)、謎の島についてからの行動がモノクロで綴られます。会話中にできるふとした“間”、俯瞰とアップのコントラストに、ぼくは惹かれました。
ローマ国際映画祭で招待上映された「石と歌とペタ」は2012年のカラー作品です。これも登場人物は3人の友人たち。ただしフェリーではなく、車に乗ります。ゆったりした会話、会話の流れで即興的に始まる歌、疲れたひとりが放つ寝息。いろんな音がうかびあがっては消えます。おそらく多重録音によるものであろう主題歌(?)も、聴きものであると感じました。
上演前、監督は「今、自分たちで見ても面白いと思う」と語りました。その面白さを、見る者それぞれが感じるときが来ました。10月14日からシアターイメージフォーラムでレイトショー(偶数日は「ニコトコ島」、奇数日は「石と歌とペタ」)。180.png




by haradakazunori | 2017-09-15 10:16 | 映画

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者

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映画「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」の試写に行きました。監督はパブロ・ラライン、脚本はギレルモ・カルデロン、出演はルイス・ニェッコ(ネルーダ)、ガエル・ガルシア・ベルナル(警察官ペルショノー)、メルセデス・モラーン(妻の画家デリア)、アルフレド・カストロ(ビデラ大統領)他。
パブロ・ネルーダはチリ生まれの外交官、政治家、ノーベル文学賞に輝いた詩人です。1934年に外交官としてスペインに赴き、45年にチリ共産党に入ります。しかし48年にビデラ大統領が共産党を非合法とします。ネルーダに残された道は2つしかありませんでした。逮捕されるか、それとも国外に逃亡するか。
この映画はいうなれば、ネルーダ逃亡の記録です。ぼくは物書きのはしくれなので最初はネルーダの視点(といえばいいのでしょうか)で見ていました。いつもと違う場所で文章を書くのは大変だよなあ、集中力に乱れが出るよなあ、と思いながら。が、いつからともなくペルショノーのキャラクターに惹かれている自分に気づきました。
娼婦の息子であることにコンプレックスを持ち、権力を持っている職業を誇りとする、キザな堅物。まず他人には好かれない男です。しかし彼は心の底で、どうしようもなく、ネルーダの型破りで、自由で、いろんな人を引き付けるキャラクターに惹かれているのではないか。「捕まえたい」と必死にネルーダを追うのは、職業上当たり前とはいえ、実はそれ以上に彼に会って話したり、友人になりたかったのではないか? ぼくはそう思いながら、物語を見ました。最後の雪景色のシーンの美しさ、そしてペルショノーに訪れる衝撃の結末。まさに、気が抜けません。
音楽はフェデリコ・フシド(ブエノスアイレス生まれのスペイン人ピアニスト/作曲家)が担当していますが、クシシュトフ・ペンデレツキ等の楽曲が挿入されているのも、個人的には大変興味ぶかいものでした。第69回カンヌ国際映画祭 監督週間出品作品、第74回ゴールデン・グローブ賞 映画部門 外国語映画賞ノミネート作品。11月11日より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA他で全国ロードショー。165.png





by haradakazunori | 2017-09-12 10:07 | 映画

ナインイレヴン 運命を分けた日

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映画「ナインイレヴン 運命を分けた日」の試写に行きました。監督・共同脚本はマルティン・ギギ、出演はチャーリー・シーン、ジーナ・ガーション、ウーピー・ゴールドバーグ他。
2001年9月11日朝、ニューヨークのウォール街で起きたあの痛ましい事件を、ビルの内側から描いたドラマです。「エレベーターに閉じ込められたひとたち」と「外部のひとたち」のストーリーでもあります。同じエレベーターに乗っていたのは、偶然にも一緒になってしまった離婚調停中のカップル(お金持ち)、仕事が終わったら早く戻って娘の誕生日を祝おうと張り切るバイクメッセンジャー、恋人と別れに来た感情の起伏の激しい女性、ギャンブル好きのビルの保全技術者の5人。巨大な衝撃と共に、エレベーターは止まります。最初のうちは保全技術者がオペレーターに連絡を取っていましたが、やがてそれも不可能になります。最初のうち、5人は想像外の出来事に苛立ち、エゴをむき出しにします。しかし、「助かりたい」「脱出したい」「生きたい」ということで意思が統一され、「ではどうするか」ということに対して呼吸をあわせていきます。その心の移り変わりが、とてもキメ細かく描かれています。
エンディングに関しては「そこで物語を終えてしまうのか」と驚きましたが、だからこそ逆にいろんな想像ができるというものです。友人と見に行って、物語の後を予想して話し合うのもいいのではないでしょうか。
2001年9月11日に何があったかを覚えている人はもちろん、それを知らない世代にもぜひ見てほしいです。収入や親の母国や皮膚の色が違っても人間は助け合えるのです。新宿武蔵野館、丸の内TOEIほか全国ロードショー中。165.png





by haradakazunori | 2017-09-10 10:03 | 映画

サーミの血

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映画「サーミの血」の試写に行きました。2016年の東京国際映画祭で審査委員特別賞と最優秀女優賞を受賞、北欧最大の映画祭であるヨーテボリ国際映画祭2017では最優秀ノルディック映画賞を獲得。話題の作品が、ついに日本で上映されます。
監督・脚本はアマンダ・シェーネル、音楽はクリスチャン・エイドネス・アナスン。出演はレーネ=セシリア・スバルロク、ミーア=エリーカ・スバルロク他。スウェーデン、ノルウェー、デンマークの三か国共同制作です。ストーリーについては「言葉はいらない」と思うので、個人的に深く感じたことだけを書いていきます。
これはスウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人の哀しくも力強い物語です。彼らは差別的な扱いを受けていました。ストーリーが進むごとに、ぼくはここに「アイヌ民族」を重ね合わせました。自分はアイヌ・コミュニティに接する音威子府村で過ごしていた時期もあり、旭川に住んでいたときもアイヌ民族のひとたちはごく身近な存在でした。彼らが住んでいたところに日本人は勝手に入り込んで、荒らし、日本語で勝手に名前をつけたのだ・・・それを知った時のぼくの怒りが、この映画の、スウェーデン人とサーミ人の関係を見ていることで呼び起こされました。
音楽面では「ヨイク」の採用が印象に残りました。ぼくはアルヴァスというグループ(ヨイクと、ジャズとエレクトロニカとロックと融合させたような音楽性を持っています)の来日公演を通じて初めてヨイクという音楽を知り、興味がどんどん沸いている最中なので、「ああ、実際にヨイクはこういう場で歌われ、聴かれているんだ」という発見がありました。
生まれた国や環境も皮膚や目の色も、ましてや親も自分で選んで生まれてくることはできません。ぼくは見終わった後、電車の中でも食事中でも、さめない余韻に包まれました。9月16日より新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。116.png
http://www.uplink.co.jp/sami/



by haradakazunori | 2017-08-24 09:44 | 映画

戦争のはらわた

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サム・ペキンパー監督の名作「戦争のはらわた [デジタル・リマスター版]」の試写に行きました。出演はジェームズ・コバーン、マクシミリアン・シェル、ジェームズ・メイソン他。音楽はアーネスト・ゴールドが担当しています。
物語の舞台は1943年春のロシア。ドイツ×ソビエト戦が始まって(ドイツ軍の奇襲「バルバロッサ作戦」で幕を開けて)、2年が経とうとしていた頃です。主人公はドイツ軍兵士たち。マクシミリアン扮するシュトランスキー大尉はプロイセン貴族の末裔で、気位がとても高く、実戦の経験がないのに偉そうな口をきき強がっていて、ドイツ軍最高の勲章「鉄十字章」だけはなんとしても手に入れたいと貪欲になる、鼻持ちならない男です。
彼の部下に属し、第2小隊を率いるシュタイナー伍長(コバーン扮する)は戦闘能力も抜群、部下からも慕われています。しかし出世欲があるわけでもなく、こびへつらいもせず、思ったことを言うので上司受けはよくありません。しかし能力には恵まれているので、シュトランスキーはそれを利用しようと、さまざまな策を練ってはシュタイナーを懐かせようとします。
このふたりのコントラストを鮮明に描きながら、物語は進みます。シュトランスキーが企てた「射殺」からかろうじて生き延びたシュタイナーが、怒り心頭の末、再会したシュトランスキーに対してとった行動とは・・・。男のプライドというものを、いやというほど感じさせてくれるラスト・シーンです。
言語が英語なのは、ワールドワイドでの上映を意識したからなのでしょう。1977年の制作作品ですが、今回の上映素材は2011年にイギリスのパインウッド・スタジオでオリジナルネガを2Kで一コマずつスキャンしてレストアされた本編マスターを基に作成されたDCPを使用しているとのことです(日本初上映)。8月26日から新宿シネマカリテほか順次公開。133.png




by haradakazunori | 2017-08-23 09:58 | 映画

音楽ライター/ジャーナリスト、原田和典のブログです。
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